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◆基本的には、大人の本と同じでしょう。
誤字や脱字、組み方をチェックしたり、文章や絵のおかしいところを指摘します。
ふと気がつくと、
「ながしとうもころしー」(あー、たいへん!)
ここは「ながしとうもろこしー」でした。

◆児童書
☆ルビ
「4年生以上の漢字にルビ」とあっても、「学年別配当」で機械的にはできません。3年生までの漢字でも、高学
年・中学・高校で習う読みや表外読みもあります。また、「特殊な読み」で、その学年では定着していない子が
多い読み方の漢字もあります。
ゲラにルビの入っていなかった
「大人、お家(うち)、交じる、目(ま)の当たり、部屋、息子、意図、面白い、他(ほか)、紙しばいの画(え)」など
にもルビをつけました。

☆説明図、地図、用語統一など
・水のある地球と、地球に近いのに液体の水が存在できない、金星や火星の条件とを比べています。
「水星の絵は必要?」と疑問出し。水星がなくなり、説明がわかりやすくなりました。
・九州の地図に「諫早湾」とともに「有明海」の文字も入り、矢印もまっすぐになって子どもたちには位置がつかみ
やすくなったと思います。
・さまざまな「排水」の絵のイメージは「家庭排水」になっていました。本文や見出し、索引にある「生活排水」に
用語統一されました。
☆そのほか、ノンフィクションでは固有名詞(人名・地名など)、基本単位のまちがいなどに特に気をつけて校正
しています。

◆絵本
基本的に、著者の「表現」や「思い」を尊重しています。
改行や分かち書き、句読点も『詩』のようなもの。
著者の「リズム」を大切にする視点で読んでいきます。

☆分かち書き
「読みやすさ」とともに、全体のリズムや文章のイメージを考え、作品によって
「もりのなかに」と続けたり、「もりの なかに」とあけたりします。
「こいしくなってきました」「うたってくれました」
などは、長くなっても続けるのがふつうです。

☆句読点
分かち書きのところは続けて読んでもいいところ、
句読点は、著者がそこで止まってほしいところです。「息つぎ、間」
読み聞かせをしている気持ちで、ときには声を出して読んでみることもあります。
著者を尊重し、機械的には入れないようにしています。

☆絵やレイアウトなど
絵本では
同じキャラクターが色をぬってないところがあったり、洋服のもようがちがっていることもあります。
絵の色が濃くて文字が読みにくいところなども指摘します。
バックの絵が少しうすくなったり、文字が白抜きになることもあります。

☆ことばの響き・リズム
「ことりは ときおり ふりかえり」
小さい子には難しいかもしれませんが、韻を踏んでリズムがあります。
「ときどき」の方がわかりやすいという意見もありましたが、
ゲラのママになりました。著者はよく考えて、言葉を選んでいると思うことも多いです。こうして、子どもたちの日
本語も豊かになっていくのでしょう。

◆校正の仕事は、ほんの少しお手伝いする程度ですが、個性豊かな絵本の仕事は
絵を見ているだけでも楽しいです。

(永野 修二さん)

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