著者が書き誤った誤字や脱字、語句の使い方・使い分けの誤りや疑問を指摘することもたいせつです。
校正刷りの文章を、一字もゆるがせにせずに読んでいきます。
この作業のことを「素読み」といいます。
*文字の誤り
「漢字の字形の誤り」「ひらがなの脱字や、誤った文字の挿入(衍字)」を指摘します。
*ことばの誤り
「てにをは(助詞)の誤り」「動詞や助動詞の活用や使い方の誤り」「慣用表現の誤り」を指摘します。
たとえば、ら抜きことばを助動詞の使い方の誤りとみれば、指摘して著者と編集者の判断にゆだねます。
*外国語の誤り
「外来語の表記の誤り」「外国語のつづりや文法上の誤り」を指摘します。
*表記の取り決めに沿った整理
原稿整理で整理がもれていたことがらを指摘します。
「数字の表記のしかたの整理」「記号や約物の使い方の整理」をします。
17か、一七か、十七か。1ヵ月、1ヶ月、1箇月、1か月、1カ月、1ケ月のどの表記を採用するか、といった
ことを、原稿整理方針の取り決めに沿ってただします。
*矛盾したことが書かれていたら指摘する
「数字の矛盾」「時系列の矛盾」「その他の内容の矛盾」があれば、それを指摘します。
フィクションの作品では、舞台設定上の内容矛盾の指摘が重要になります。
これらを編集者に疑問として提出します。
編集者は、必要なことは著者に問い合わせて疑問を解決し、赤字にします。
また、素読みでは、「校閲」の項で述べる内容的な誤りの指摘や、確認作業を行なうこともあります。
|